朝から我慢できずに焼くことにしたのですが、この日は炭ではありません。
ドンキで買ってきた電気の七輪です。出かける予定があったので、飲むのもノンアルコールにしました。
電気の七輪を買った理由
前に庭の炭火で秋の味覚を焼いた回で食べた椎茸が、今回のきっかけです。その後の回で、雨続きで庭の炭火ができない話も書きました。「雨の日はどうするか」と言っていたのですが、その答えがこれです。
ドンキで見つけた卓上の電気グリル。焼き鳥を焼く形をしていますが、箱には「焼き鳥だけじゃない!他の食べ物も焼けちゃうよ♪」と書いてありました。
組み立ては網を乗せるだけ。炭火だと火を熾すのに30分近くかかるので、スイッチひとつで赤くなるのは、朝には正直ありがたいです。
秋の椎茸が肉厚な理由
直売所の椎茸は、スーパーのものと明らかに厚みが違いました。これは気のせいではなく、時期の話でした。
暦生活の記事によると、秋に旬を迎える椎茸は、昼夜の寒暖差によって肉厚に育ち、香りが一段と豊かになるとのことです。同じ記事に、天然の椎茸が採れるのは春と秋の年2回だけとも書かれていました。まさに今が、その秋のほうです。
買うときの見分け方
同じ記事に「ひだが白く、傘が開きすぎず、全体に肉厚なものが上質」とありました。この日の椎茸は、裏を返すとひだが真っ白でした。
うま味の正体を、間違えていました
ここが今回いちばん調べたところで、そして自分の思い込みが間違っていたところです。
椎茸のうま味といえば「グアニル酸」。三大うま味成分のひとつで、加熱すると増える。わたしはそう覚えていて、動画でもそうテロップを入れてしまいました。
ところが調べてみると、話が違いました。
生の椎茸には、グアニル酸はほとんど入っていない
うま味インフォメーションセンターの解説には、「生椎茸のうま味成分はグルタミン酸が多く含まれている」とはっきり書かれています。グアニル酸のほうは、干すことで生まれるうま味でした。
仕組みはこうです。椎茸の細胞の中には「リボ核酸」というものがあって、これが分解されるとグアニル酸になります。ただし生きている細胞のままでは分解が進みません。乾燥させて細胞が壊れることで、はじめて分解酵素が働いてグアニル酸が生まれるのだそうです。
だから干し椎茸には100gあたり150mgものグアニル酸が含まれていて、生の椎茸にはほとんど無い。同じ椎茸でも、生と干しで主役の成分が違うわけです。
では、生の椎茸を焼くとうま味は増えないのか
増えます。ただし増えるのはグルタミン酸のほうです。生でも干しでも、未調理のときにはグルタミン酸はあまり多くないのですが、加熱するとうま味成分が増えると書かれていました。
焼くとうまくなるのは本当。ただ、その理由をわたしは取り違えていました。
ついでに知ったのが、干し椎茸を戻すときの温度の話です。グアニル酸を増やす酵素は50〜75℃でよく働き、逆に10〜40℃ではグアニル酸を減らす酵素が働くのだそうです。干し椎茸を水で戻したあと、一気に温度を上げたほうがいいのはそういう理由でした。今回は生なので関係ないのですが、覚えておこうと思います。
ひだを上にして焼く
焼き方を調べていて、これも知らなかったことがありました。
埼玉県の椎茸農家「貫井園」の貫井香織さんによると、椎茸は傘を下・ひだを上にして焼くのがいいそうです。理由は、焼いているとひだから水分がにじみ出てくるから。この水分がうま味なので、ひだを下にすると流れ落ちてしまうとのことでした。
肉厚で火が通りにくいときだけ、まずひだ側を下にして軽く焼いてからひっくり返す。そうすれば火も通るし、うま味も逃さないそうです。
この日のわたしは、そんなことは知らずに何度も裏返していました。次は覚えておきます。
洗わない
椎茸は水洗いしないほうがいいそうです。濡らして固く絞ったキッチンペーパーで、表面とひだと軸をなでるように拭く。水を吸うと香りもうま味も落ちるからです。
朝なので、ノンアルコール
この日は出かける予定があったので、ノンアルコールビールにしました。ノンアルは飲みごたえが足りなくて物足りないことが多いのですが、これはビールにかなり近くて満足でした。そのあとは炭酸水です。
まずは醤油だけで
肉厚で、噛むと汁が出てきます。スーパーの椎茸もおいしいのですが、これは別ものでした。
そのあと、ほりにし
醤油もうまいのですが、ほりにしをかけると一段上がります。焼き鳥を炭火で焼いた回でも使いましたが、これは何にでも合います。結果、この日もほりにしの勝ちでした。
電気の七輪は、雨の日の味方になりそう
炭火のような香りはつきませんが、煙が少なくて家の中で焼けるのは思った以上に大きいことでした。スイッチひとつで赤くなるので、思い立ってから食べるまでが早い。
炭火と比べてどうか、と聞かれたら、炭のほうがうまいとは思います。ただ「雨だから今日はやめておくか」となっていた日に焼けるようになったのは、ずいぶん違います。
この日わかったこと
- 秋の椎茸が肉厚なのは、昼夜の寒暖差で育つから。天然物が採れるのは春と秋の年2回だけ
- 生の椎茸のうま味はグルタミン酸。グアニル酸は干すことで生まれるもので、生にはほとんど入っていない
- 焼くときはひだを上に。にじみ出る汁がうま味なので、下にすると流れ落ちる
- 椎茸は水洗いしない。固く絞った布で拭く
- 電気の七輪は煙が少なく、室内でも焼ける。炭のような香りはつかない
参考にしたページ
今回の記事を書くにあたって、次のページを読みました。
椎茸の旬と選び方
暦生活「椎茸|旬のもの」
https://www.543life.com/content/shun/post20251030.html
生椎茸と干し椎茸のうま味成分の違い
特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター「きのこ類」
https://www.umamiinfo.jp/richfood/foodstuff/mushroom.html
グアニル酸が干すことで生まれる仕組み
和食の旨み「うま味成分グアニル酸。干しシイタケに含まれる理由と活用方法」
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/mushroom-umami
グアニル酸を増やす温度帯
高千穂郷産しいたけ杉本商店「三大うま味成分とは?」
https://sugimoto.co/how-to-use/why-do-dried-shiitake-make-food-taste-better/
ひだを上にして焼く理由(椎茸農家の方の話)
あたらしい日日「【農家直伝】しいたけ焼くとき『ひだを上にする』意味とは!?」
https://nichinichi-magazine.com/articles/detail/7002
椎茸を水洗いしない理由
職人醤油「しいたけの網焼き」
https://s-shoyu.com/cook/259/
動画のテロップに誤りがありました
YouTubeに上げた動画の6分34秒あたりで「うま味の正体はグアニル酸/焼くと増える」というテロップを入れています。上に書いたとおり、これは誤りでした。生の椎茸のうま味はグルタミン酸が主で、グアニル酸は干すことで生まれるものです。動画の説明欄にも訂正を書きました。
動画でも見られます
この日の様子は動画にもしています。20分あるので、音だけでも流しておいてもらえたら嬉しいです。