焼くのは、いつもの焼き鳥グリル。お供は芋焼酎のハイボール。……ところが、このグリルの火が弱い。網にのせても、ふぐがいつまでも真っ白です。
そこで今回は、大人の自由研究。テーマは「ふぐの一夜干しは、いつ焼けるのか」。網の上の観察記録を、経過時間つきで発表します。
研究のきっかけ:ふぐ、269円
本日の研究対象は、スーパーで買ってきたふぐの一夜干し。値札の元の値段は538円。そこに黄色い「半額」のシールが貼られて、269円です。
動画のテロップでも、思わず「ふぐ。269円。勝ち」。(誰と勝負しとったんかは、自分でもわかりません)
研究を始める前に、まずは対象の名前の調べものから。
💡 研究メモ① 下関では、ふぐを「ふく」と呼ぶ
山口県の下関では、ふぐのことを「ふく」と呼びます。「福」につながるからだそうです(下関市「水産物5大ブランド『ふく』」、農林水産省「ふく刺し 山口県」より)。
半額シールは、僕にとってはまさに「福」です。(269円の福)
実験道具:IHは今日、ただの台
研究の場所は、台所。IHコンロの上にまな板を置いて、その上に焼き鳥用の卓上電気グリル「名代 やきとり屋さん」をのせます。テロップいわく「IH、今日はただの台」。(IHさん、台あつかいですまん)
動画のテロップでは、このグリルを「電子コンロ」と呼んでいます。半額カルビを焼いた日や、鮑を踊り焼きにした日と同じグリルです。今日は研究機材として、ご出演いただきます。
ただしこの電子コンロ、のちほど研究のいちばん大きなテーマになります。(先に言っておくと、火が弱い)
研究の準備:焼酎は、天の神様に決めてもらう
研究には、飲み物も欠かせません。グリルの奥には焼酎が3本。麦焼酎の二階堂、虎の絵のラベルのビン、そして黒霧島EX。
「どれにしようかな」「天の神様の言うとおり」で選んだ結果、「君に決めた」のは黒霧島EXでした。
氷を入れたジョッキに黒霧島EXを注いで、ウィルキンソンで割ります。炭酸、IN。芋焼酎のハイボール、略して「芋ハイ」の完成です。
観察開始:いざ、網へ
準備がととのったところで、研究対象のふぐを網へ。まずは2枚、並べてのせます。
さあ、焼けていく様子をじっくり観察……と思ったら、テロップがすぐに「コンロ、弱っ」。続けて「おい」「焼けろ」。そして「(念を送る)」。
(研究の方法、いきなり念力)
待ち時間の記録:ナッツと、インフルと、注射の話
焼けるまでのあいだは、ミックスナッツをつまみながら待ちます。袋から手のひらに出して、芋ハイといっしょに。
待っているあいだに口から出てきたのは、ふぐとはまったく関係のない、こんな話でした。
「もうインフルが流行ってきてる」
「会社の同僚もインフルになって休んだ」
「地域の学校でもちらほら出てるらしい」
「今年は早いな」
「ワクチン、打たなきゃな」
そこから話は、なぜか注射のほうへ。
「そういや最近さ、注射が怖くなってきてよ」
「ガキの頃は平気だったのに、なんでだろうな」
「健康診断の採血、あれが一番きつい」
「大人になると、何されるか全部わかるから逆に怖いんだと」
(ふぐの研究、どこ行った)
最後は「芋のクセが合うんだよな」と焼酎の話に戻ってきて、ナッツもおかわり。そのあいだも網の上は、テロップいわく「ふぐ、沈黙」です。
観察記録 3分:「無」
3分経過。ふぐ、真っ白。変化、なし。この時間のテロップは、たったひと文字の「無」でした。
芋ハイで気をまぎらわしつつ、「コンロ、本気出せ」。こうなったら、ふぐとにらめっこです。(どっちも笑わんので、勝負がつかん)
にらめっこの相手には、そもそも顔がありません。なので、もとの顔のほうを調べてみました。
💡 研究メモ② ふぐの歯は、上下2枚ずつの4枚
ふぐの歯は、上下2枚ずつで4枚。それがくちばしのようにくっついているのだそうです(環境省「せとうちネット」のフグの紹介、世界大百科事典より)。
くちばしみたいな歯の持ち主に、にらめっこで勝てる気がしません。
とりあえず、返します。……裏も、白い。
💡 研究メモ③ つかむと「グーグー」鳴くことがある
ふぐは、つかむと「グーグー」と鳴くことがあります。上下の歯をこすり合わせて、威嚇しているのだそうです(環境省「せとうちネット」のフグの紹介より)。
指でつまんでも、もちろん網の上のふぐは沈黙のまま。(一夜干しやけん、それはそう)
観察記録 6分:研究者のほうが、先に仕上がる
このあと、もう一度ふぐを返します。……また、指で。テロップには、しっかり「トング、あるのに指」。(トング、すぐそこにおったのに)
6分経過。ふぐ、マイペース。
このあたりで、テロップにまさかの「ふぐより先に酔う」。研究対象より、研究者のほうが先に仕上がりはじめています。
「コンロ、聞いとる?」。そしてついに「地球、滅亡」……「(してない)」。(待ち時間がのびると、話のスケールまでのびる)
💡 研究メモ④ ふぐには、腹ビレがない
ふぐには腹ビレがありません。泳ぐときは、背ビレと尻ビレを使うそうです(環境省「せとうちネット」のフグの紹介、世界大百科事典より)。
網の上のふぐは、背ビレも尻ビレも使わず、ひたすらじっとしています。(マイペースにも、ほどがある)
このあたりで、こんなひと言も出ました。「ホイルかぶせりゃ早いんだけど、見た目がな」。研究者、待ち時間より見た目をとりました。(自分で選んだ道です)
観察記録 9分:研究者、おかわり
待ちきれず、芋ハイをおかわり。(ふぐは、まだ)
9分経過。黒霧島を注いで、炭酸を足して、2杯目のできあがりです。
テロップは「芋ハイ、なぜ合う」「クセとクセ、引かれ合う」。研究テーマが、ふぐから芋ハイに移りかけています。
観察記録 約10分:やっと焼き色、白い時代の終わり
「そろそろ…?」と網をのぞくと……ついに、やっと焼き色がつきました! 網にのせてから、約10分です。
テロップいわく「白い時代、終了」。(長い時代でした)
💡 研究メモ⑤ ふぐは、縄文時代から食べられていたらしい
ふぐは縄文時代から食べられていたと考えられています。縄文時代後期の貝塚から、ふぐの骨が見つかっているそうです(環境省「せとうちネット」のフグの紹介より)。
縄文時代からの長い歴史にくらべたら、10分なんて、ほんの一瞬です。(待っとるあいだは、まったく一瞬に思えんかった)
観察記録 18分:研究対象が、3兄弟に増える
焼き色がついたところで、「1枚追加」。ちなみにこの時点で、テロップいわく「まだ1口も食べてない」。
18分経過。網の上には、3枚そろって「ふぐ、3兄弟」。(長男・次男・三男)仲良く焼かれ中です。いちばん上の写真が、このときの3兄弟です。
研究開始から18分。研究者は、まだ1口も食べていません。(研究熱心……なのではなく、コンロが弱いだけです)
試食1:長男は、バター醤油
いよいよ試食です。まずは長男から。お皿にとって、チューブのバターをIN。テロップは「カロリー、宇宙へ」。(自由研究なのに、カロリー計算はあきらめました)
バターがとろ〜りとけたところに、+醤油。キッコーマンの「しぼりたて生しょうゆ」です。
試食の結果は、「バター醤油、めっちゃ甘い」。
長男は、骨だけになりました。続く次男も、バターでいきます。
試食2:マヨ七味で、はい優勝
残りのふぐは、網の上でじっくり焼き中。ここで味変です。ピンクの小鉢にマヨネーズを出して、七味をふりふり。マヨ七味の完成です。
そして両手を合わせて、「いただきます」。(長男は、もう骨になっとるけど)
網の上のふぐを、トングでほぐします。身がスルッとはがれる。テロップいわく「無心でほぐす」。(研究者、ここでは考えるのをやめました)
ほぐした身を、マヨ七味にひたして……
「マヨ七味。はい優勝」。異論は認めません。
感想は、「七味がピリッとくる」「辛いの好きだからたまらん」。芋ハイが進む、進む。手が止まらん。マヨ七味、無限にいける。
(観察記録、このへんから感想しか書いてません)
観察記録 37分〜40分:やっぱり、マヨ七味
残りも焼いて、(また待つ)。37分経過。出てきた結論は「やっぱりマヨ七味」。焼けたら即、マヨ七味です。
テロップには「半額とは思えん」とも出ていました。最後は「手づかみでいく」。(トングの出番、また減った)
そして40分。グリルのスイッチを切って、「コンロ、40分おつかれ」。
研究結果:「269円で、ええ晩酌やった」
本日の出費、269円。満足度、プライスレス。ごちそうさまでした。
そして動画の最後、田舎マンのひと言はこれでした。
「269円で、ええ晩酌やった」
自由研究の結論にしては、ちょっと短い気もします。(でも、これ以上の結論は出ませんでした)
約19分の観察記録は、動画で
焼酎選びから、白いふぐとのにらめっこ、ふぐ3兄弟、バター醤油とマヨ七味まで、本編約19分の動画にしています。焼けるまでの長さは、動画のほうがよう伝わると思います。(2倍速でお送りしている所もあるのに、それでも長い)
39秒にまとめたショート動画もあります。
同じ焼き鳥グリルで焼いた半額カルビの回と鮑の踊り焼きの回もあります。
📋 今回のまとめ(自由研究の結論)
- 研究対象は、ふぐの一夜干し。元は538円、半額シールで269円
- 下関では、ふぐを「ふく」と呼ぶ。「福」につながるから
- 実験台はIHの上のまな板。機材は焼き鳥用の卓上電気グリル「名代 やきとり屋さん」(通称、電子コンロ)
- 焼酎は3本の中から「天の神様の言うとおり」で黒霧島EX。ウィルキンソンで割って芋ハイ。途中で1回おかわり
- 火が弱く、3分、6分、9分たっても白いまま。やっと焼き色がついたのは約10分
- 18分で「ふぐ、3兄弟」。この時点で、まだ1口も食べていない
- 長男はバターのあとに醤油で「バター醤油、めっちゃ甘い」。次男もバターで
- 味変のマヨ七味は「はい優勝」。「七味がピリッとくる」「辛いの好きだからたまらん」
- 40分でスイッチを切って、結論は「269円で、ええ晩酌やった」
おわりに:研究をふり返って
半額のふぐの一夜干しを、電子コンロで焼くだけ。始まりは、ほんとうにそれだけでした。
ところが火が弱くて、3分たっても、6分たっても、9分たっても白いまま。待つあいだに、ナッツと芋ハイ、インフルと注射の話、地球の滅亡(してない)まで出てきて、気づけば40分ぶんの観察記録ができあがっていました。
(研究というより、ほぼ待っとっただけです)
それでも、バター醤油とマヨ七味までたどり着いて、最後のひと言は「269円で、ええ晩酌やった」。待った時間のぶん、ちゃんと元はとれたと思います。(なにせ、269円なので)
焼き鳥グリルさん、40分のお仕事おつかれさまでした。火が弱いなんて何回も言うて、すまんかった。……でも、弱かった。
半額の食材を焼いて晩酌した日は、ほかにも半額のシャトーブリアンを焼いた日や半額カルビを焼き鳥グリルで焼いた日があります。ほかの日の記録は田舎マンの日常。の一覧からどうぞ。
参考にしたページ
研究メモ(豆知識)は、次のページを読んで書きました。
下関では、ふぐを「ふく」と呼ぶ
下関市「水産物5大ブランド『ふく』」
https://www.city.shimonoseki.lg.jp/soshiki/60/1173.html
農林水産省「ふく刺し 山口県」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_16_yamaguchi.html
ふぐの歯・腹ビレ・「グーグー」と鳴くこと・縄文時代の貝塚
環境省「せとうちネット」フグ
https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/g1/g1chapter1/ikimono/fugu.html
ふぐの歯と腹ビレ
世界大百科事典「フグ」(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%82%B0-156814