スーパーで秋刀魚が一匹150円でした。
せっかく安いので、庭に七輪を出して焼くことにしました。
塩も振らず、ただ網にのせただけです。

今年の秋刀魚は安い

買い物に行ったら、秋刀魚が一匹150円でした。数年前は一匹300円を超えることもあったので、それを思うとずいぶん買いやすくなりました。

一匹だけ買って帰りました。せっかくなので、家の中で焼くのではなく、庭でやることにします。

庭に置いた七輪
📷 庭に七輪を出しました。今日はこれだけのために火を熾します。

炭が熾きるのを待つ

七輪に炭を入れて、火を点けます。ここが一番時間のかかるところです。

赤く熾きた炭
📷 炭が赤くなってきました。ここまで来れば、あとは焼くだけです。

ガスコンロなら数秒でできることに、炭だと20分近くかかります。効率だけ考えれば無駄なんですが、この待っている時間が嫌いではありません。

💡 炭は白くなってから使う

黒いままの炭は、まだ火が通っていません。表面が白い灰をかぶって、隙間から赤く見えるようになったら焼きどきです。急いで網をのせると、生焼けと煙だけで終わります。

塩は振っていません

網にのせた秋刀魚
📷 網にのせるだけ。下ごしらえと呼べるものは何もしていません。

秋刀魚の塩焼きというくらいなので、普通は塩を振ります。でも今回はやめました。

そのままの味がどうなのか知りたかった、というのが理由です。旬のものは味が濃いと言いますし、それなら余計なものを足さないほうが分かるだろうと。

あとは炭に任せます。ひっくり返すタイミングも特に測っていません。

焼けていく秋刀魚
📷 だんだん色が変わっていきます。脂が落ちて、いい匂いがしてきました。

「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」

焼けるのを待っている間に、思い出したことがあります。

昔から 「秋刀魚が出ると按摩(あんま)が引っ込む」 ということわざがあるそうです。

按摩というのは、体をほぐしてくれる人のことです。つまり 「秋刀魚が出回る頃には、みんな体の調子がよくなって、按摩の世話にならずに済む」 という意味なんだそうです。

調べてみたら、これには理由がありました。旬の秋刀魚は脂がのっていて、その脂にはDHAやEPAという成分が多く含まれています。可食部100gあたりでDHAが約2.2g、EPAが約1.5g。血の巡りをよくしたり、血圧を下げたりする働きがあるとされています。

💡 秋刀魚の旬は9月〜11月

この時期の秋刀魚がいちばん脂がのっています。値段も下がる時期なので、栄養も味も値段も、全部が噛み合うタイミングです。

面白いのは、昔の人はDHAだのEPAだのという名前を知らなかったはずだということです。

それでも「秋刀魚を食べると体の調子がいい」ということは分かっていた。だからことわざになって、今も残っている。成分の名前を知らなくても、食べれば分かっていたわけです。

焼けました

焼き上がった秋刀魚
📷 皮が弾けて、いい焼き色がつきました。

皿に移します。大根をおろして、一緒に添えました。

皿に移した秋刀魚と大根おろし
📷 大根おろしを添えて。焼き魚にはこれです。

大根おろしにも理由があった

秋刀魚に大根おろしを添えるのは、なんとなく「そういうもの」だと思っていました。でもこれにも理由があったんです。

焼き魚の焦げには、体に良くない成分が含まれています。大根おろしに含まれる酵素と食物繊維が、それを分解して体の外に出してくれるのだそうです。

しかも、この酵素は熱に弱いので、生のままおろして食べるのが理にかなっているとのこと。加熱してしまうと効果が薄れます。

💡 焦げが気になるなら、なおさら大根おろし

炭火で焼くと、どうしても焦げ目がつきます。それを避けようとして焼きが甘くなるより、しっかり焼いて大根おろしを添えるほうが、昔ながらのやり方としては正解のようです。

味は、たしかに濃かった

食べてみました。

塩を振っていないので薄いかと思ったら、そんなことはありませんでした。身がしっかりしていて、味が濃い。旬というのは、こういうことなんだと思います。

私はワタ(内臓)が好きなんですが、これがまた良かったです。苦い。でもこの苦みが、ビールによく合いました。

塩を振らなかったのは正解だったと思います。振っていたら、この「そのままの味」は分からなかったはずです。

骨だけ残った皿
📷 骨だけ残りました。一匹150円でこれなら、文句のつけようがありません。

動画でも見られます

火を熾すところから完食まで、ひと通り撮ってあります。焼けるのを待っている間に、上に書いたことわざの話をしています。

📋 今回のまとめ

おわりに

塩も振らず、下ごしらえもせず、ただ焼いただけの秋刀魚でした。それでも十分うまかったです。

今回いちばん面白かったのは、自分が「なんとなく」やっていたことに、全部理由があったと分かったことでした。大根おろしを添えるのも、旬のものを食べるのも。

昔の人は成分の名前なんて知らなかったはずです。それでも体で分かっていて、それがことわざや食べ合わせとして残っている。知らずに真似していただけなのに、ちゃんと理にかなっていたわけです。

庭で火を熾すのは、バーベキューのときもやります。ただ、一匹の魚のためだけに炭を熾したのは初めてでした。

ちなみに休みの日の食べ物といえば、鶏のスープでコーンスープとカレーを作った話も書いています。こちらは失敗から始まった話です。

次は手羽先か、それとも別の魚か。七輪はまだ庭に置いてあります。

【追記】この日はこれで終わりませんでした。秋刀魚を焼き終わったあと、炭がまだ生きていたので、そのまま焼き鳥と半額のホルモンを焼いた話を続けて書いています。