つかまえた鮎は、その場でさばいて、串を打って、炭火で焼いて食べられます。
今回は竹串を「踊り串」に打って、炭火でじっくり塩焼きにしました。
1組3匹まで
秋の休みの日、近くの公園で鮎のつかみ取りに挑戦しました。受付の札には「1組3匹まで」。4匹目からは1匹500円だそうです。
水の中の鮎は、とにかくすばしっこい。近づいたと思ったら、もうそこにはいません。
それでもなんとか3匹そろって、バケツの中へ。バケツに入れても、まだ大暴れしています。どれも丸々とした、いい鮎でした。
💡 つかみ取りのコツ
あとで調べたら、つかみ取りをやっている町や漁協のページにコツが書いてありました。急に追いかけると鮎はすぐ逃げるので、ゆっくり近づく。そして逃げ道をふさぐようにして、両手でそっと包む。軍手をすると滑りにくいそうです。追い回したら一休みして、待ち構えるのもコツだとか。
その場でさばく
つかまえた鮎は、そのままさばき場へ持っていきます。流し台とまな板があって、自分でさばけるようになっていました。
流水で洗いながら、お腹を開いて内臓を出します。まな板に残っている赤くて細いものが、内臓です。
2匹並べて、下ごしらえは完了です。
竹串で「踊り串」
次は串打ちの台へ。頭のほうから竹串を通して、ぐっと押さえます。
ここからが面白いところで、体をくねらせながら刺していきます。しっぽのほうまで通したら、最後にぐいっと。
できあがった鮎は、まるで泳いでいるような形になっていました。これが「踊り串」です。同じように3本打って、串打ちはおしまい。
💡 「踊り串」と「のぼり串」
魚が泳いでうねっている姿に見えるように、体をくねらせて打つ串を「おどり串」といいます。「うねり串」「のぼり串」とも呼び、海の魚は「おどり串」、川魚は「のぼり串」と呼び分けることもあるそうです。
串を打っておくと途中でひっくり返しやすく、まんべんなく焼けて形もきれいに仕上がるそうです。
塩をふる(化粧塩)
串を打ったら、塩をふります。鮎の黒い背中まで、真っ白になりました。
実は8月に早起きして秘密基地で鮎を焼いたとき、塩をふりすぎて、しょっぱくしてしまいました。その反省があるので、今回は鮎の塩のことを少し調べてみました。
💡 ヒレと尾には「化粧塩」
魚を姿のまま焼くと、身に火が通るまでにヒレが焦げたり焼け落ちたりします。そこでヒレや尾には、すりこむように多めに塩をつけます。これを「化粧塩(けしょうじお)」といって、ヒレが焦げずにきれいな形で残るそうです。
ただし身のほうに塩がつきすぎると、辛くて食べられなくなるので、ていねいにつけるのが大事。前回の僕は、たぶんこっちでした。
塩の話でいうと、秋刀魚のときも塩をふらずに七輪で焼いた回と、塩をふって30分ねかせてから焼いた回で、ずいぶん話が変わりました。
炭火の焼き台でじっくり
準備ができたら、焼き場へ持っていきます。炭火の焼き台があって、網の上はもう鮎だらけでした。
串を網に立てかけるようにして、炭のそばでじっくり焼いていきます。最初はまだ白っぽい。そのうち煙が上がってきて、焼ける匂いがしてきます。
💡 焼き魚は「遠火の強火」
鮎の塩焼きの火加減は「強火の遠火」が基本だそうです。火が近すぎると、中に火が通る前に表面が焦げる。火が弱いと焼き色がつくまでに時間がかかって、水分が抜けてパサパサになります。
大学の実験(備長炭で鮭を焼いたもの)では、炭から3cmだと焦げやすく、10cmだと焼き時間が長くなり、どちらも水分が多く抜けました。ちょうどよかったのは5cmだったそうです。
途中でひっくり返すと、いい焼き色がついていました。ここからは、全体が黄金色になるまで待つだけです。
持ち上げて確認すると、しっぽまでこんがり。炭の上では、炎がちらちらしています。
庭でも秋の味覚を全部炭火で焼いたり、残った炭で焼き鳥とホルモンを焼いたりしていますが、自分で串を打った魚を焼くのは、また違う楽しさがありました。
ノンアルでぐびっ
焼き上がったら、まずは1本。この日はノンアルです。アサヒのドライゼロ。
プシュッ。この音がたまりません。ぐびっ、ぐびっ……ぷはー。
本当は生ビールといきたいところですが、今日はこれで十分です。
背中からかぶりつく
焼けた鮎には、網の焦げ目がしっかりついていて、塩が白く残っていました。
まずは背中から、かぶりつきます。
そのあと膝の上で、箸でほぐしました。身がほろっと取れて、中はふっくらした白い身です。さっきまでバケツで暴れていた鮎を、自分でさばいて、焼いて食べる。つかまえたては、やっぱり最高でした。
💡 鮎の別名は「香魚」と「年魚」
鮎は、スイカやキュウリに似た香りがすることから「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれます。
もうひとつの別名が「年魚(ねんぎょ)」。秋に生まれて冬は海で過ごし、春に川をのぼって、秋に卵を産む。ほとんどが1年で一生を終えるので、この名前がついたそうです。
骨だけになるまで
ここからは、ゆっくり食べます。紙を広げて、箸でつつく。骨のまわりに、まだ身が残っています。
それを、ちまちま取る。まだ取れる。また取れる。これは沼ります。
骨が見えてきたら、頭を押さえて、残った身をきれいに取っていきます。最後は、頭と骨としっぽだけになりました。
💡 熱いうちなら、骨がするっと抜ける
食べ終わってから知ったのですが、焼いた鮎は骨をきれいに抜けるそうです。両側を箸でまんべんなく押して、尾びれをねじって取り、頭のまわりに切れ目を入れる。あとは頭を引くと、中骨がするすると抜ける。「熱いうちに」やるのがいいそうです。次は試してみます。
ちなみに鮎の塩焼きは本来、内臓を取らずに丸ごと焼いて、ワタ(内臓)のほろ苦さも味わう料理だそうです。ワタの塩辛は「うるか」と呼ばれます。丸ごと焼くのは、次の楽しみにとっておきます。
動画でも見られます
つかみ取りから骨だけになるまで、動画にもしています。踊り串は、動画のほうが分かりやすいと思います。
焼くところだけをまとめたショート動画もあります。
📋 今回のまとめ
- 鮎のつかみ取りは「1組3匹まで」。4匹目からは1匹500円
- 体をくねらせて打つ「踊り串」。泳ぐ姿に見えて、返しやすい
- ヒレと尾に多めにつける塩が「化粧塩」。身につけすぎると辛い
- 焼き魚は「遠火の強火」。近すぎると焦げ、弱火だとパサパサに
- 焼いた鮎は、熱いうちなら頭を引いて骨を抜ける
おわりに
つかまえて、さばいて、串を打って、焼いて、食べる。1匹の鮎を、泳いでいるところから骨になるまで見届けた日でした。
自分で串を打った鮎は、焼いている間もずっと気になります。そのぶん、骨だけになったときの満足感も大きかったです。
庭で炭火をやるときの道具は庭でバーベキューをするなら道具はこの2つにまとめています。お盆明けに庭でゆっくりバーベキューをした話もあります。次は庭の炭火で、化粧塩もちゃんとして焼いてみたいです。
参考にしたページ
鮎の豆知識は、次のページを読んで書きました。
つかみ取りのコツ
那珂川の鮎を活用した内水面活性化及び地域活性化協議会「那珂川・鮎のつかみ取り2026」
https://ayu.nakagawamachi.net/
芦田川府中漁業協同組合「【2025年】鮎のつかみ取り」
https://fuchu-gyokyo.nishimotojisyo.com/ayucatch2025.html
踊り串・のぼり串
日本料理、会席・懐石案内所「焼き物手法と串の打ち方【おどり串】」
https://oisiiryouri.com/yakimono-odorigushi/
Honda釣り倶楽部(本田技研工業)「簡単!釣魚レシピ アユの串打ち塩焼き」
https://www.honda.co.jp/fishing/picture-book/ayu/recipe/
化粧塩
辻調理師専門学校「プロの隠し技・日本料理(焼き物) 姿焼きは化粧塩で美しく焼き上げる」
https://www.tsuji.ac.jp/hp/motto/waza/japan/wz12.htm
遠火の強火
Honda釣り倶楽部(本田技研工業)「簡単!釣魚レシピ アユの串打ち塩焼き」
https://www.honda.co.jp/fishing/picture-book/ayu/recipe/
中村真由美・福岡美香・酒井昇(東京海洋大学大学院)「魚の炭火焼における熱移動解析」日本調理科学会大会研究発表要旨集 2007
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/19/0/19_0_82/_article/-char/ja/
樋口直哉(TravelingFoodLab.)「おいしい焼き魚は餃子方式でつくる!」
https://note.com/travelingfoodlab/n/n5408268bb3dd
香魚・年魚
国土交通省 四国地方整備局 中村河川国道事務所「アユ|しまんとがわ水族館 いきもの図鑑」
https://www.skr.mlit.go.jp/nakamura/shimantogawa-aquarium/zukanpage/zukan_ayu.html
長野県水産試験場「アユの話」
https://www.pref.nagano.lg.jp/suisan/joho/kids-ayu.html
東京都 報道発表資料「令和6年のアユ遡上数に影響した要因」補足資料「アユの生態」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/05/31/documents/10_01.pdf
焼いた鮎の骨の抜き方
あたらしい日日(家の光協会)「他の焼き魚とは違うの!【鮎の塩焼きのキレイな食べ方】にトライ!骨がするん♪」
https://nichinichi-magazine.com/articles/detail/13462/2/1/1
西日本新聞「熱いうちにアユの骨抜き」(2019年8月21日)
https://www.nishinippon.co.jp/item/536686/
丸ごと食べる・うるか
辻調理師専門学校 日本料理クリエイティブ経営学科ブログ「初夏といえば鮎!今日の実習は鮎の塩焼き!」
https://www.tsuji.ac.jp/college/chorishi/blog/cat1279/post_464.html
クラシル「【鮎の塩焼き】がおうちで簡単に!旬の時期に食べたい絶品レシピも」
https://www.kurashiru.com/articles/cbfd3747-13d0-49ff-9412-56bb56eeb98a
農林水産省 うちの郷土料理「あゆうるか 大分県」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ayuuruka_oita.html